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油滴天目は多くの陶芸家が試み、すでに再現が完成された技法ではないかと思います。その他の天目の技法ではまだその水準が一定でなく、特に燿変は再現というより、各陶芸家の解釈の元に現代の燿変がいくつも生まれています。
そのほかの、天目模様の再現として、幾人かの陶芸家が成し得ているものが今回の作品となる禾天目でしょう。この作品はつい先日、福井の工房でお会いした木村好博氏です。
幾筋もの黒色が見込みから生じ、器体の表面を流れ、口縁で枝分かれして消えていきます。筆で線書きできないような細い筋はまさに自然の美。兎毫ともよばれるようにうさぎの毛のように細い筋が特徴です。見込みから拡がるこの模様は宇宙にも見えます。
器体の造形はまさに天目型のぐい呑み。すっぽん口と小さな高台。
土はわずかに赤みがかる白土。でも、越前の土地から出たとは思えない土味。
越前の土から生まれきる宋磁の天目。20世紀の天目釉は21世紀の天目釉となって息づいています。
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